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このページは、山崎たつえが日々思うことを綴る、日記のページです。
2008/03/07
松本市の「屋根つき車庫」のからくり
―――規制緩和と松本市条例施行規則―――
お気づきの点がありましたらご指摘ご指導ください

T.2月市議会での質問と答弁
私は20年2月25日の市議会でも「よりよい住環境を守るために住宅密集地に屋根つき車庫はやめて下さい」と次のように訴えました。
「松本市は平成15年まで『屋根なし』で許可を与えていました。屋根つき車庫は住宅地でなければ作ることができません。しかし、長野市などは人家から離れた原野や准工業地などに置かれていました。松本市は平成15年まで『屋根なし』で許可を与えていたのですから、平成15年度以前のように改正してほしいと思います」と市長に訴えました。
しかし、市長は「屋根つき車庫の条件を維持する」と次のような答弁をしました。
「平成16年度から一般廃棄物収集運搬許可の規制緩和により許可業者の数が大幅に増加し、生ゴミをつんだ車両が屋外にそのまま置かれ周辺に悪影響を与える事が危惧された為平成16年度以降は車庫の設置を許可条件としているものです。許可業者の数が急激に増加するという特殊な状況のため、きびしいかもしれませんが車庫の条件は必要なものと考えています」。
★市長答弁の分析『業者の数が急激と周辺に悪影響』
市長は「生ゴミなどを積んだままにしておくと臭うので屋根つき車庫は必要」としていましたが、今回は『業者の数が急激に増えるので周辺に悪影響を与える危惧がある』としています。それならば人家の側に車庫を設置すべきではありません。他の市のように人家から離せば良いのです。屋根つき車庫の許可条件を外せば良いのです。
また、業者の数が増えますと、なぜ「周辺に悪影響を与える危惧がある」のでしょうか。集める対象の市民の数は変わらないので会社の数が増えても車の数は同じです。
又、平成16年以前の業者は周辺に悪影響を与えなかったのに他の業者が参入すると、どうして悪影響を与えるのでしょうか。もし、そのような事になったら許可を与えた松本市が行政指導すれば良いはずです。それが出来ないとすれば松本市の業務怠慢というものです。
他市との比較1社の人員
松本市 35社4520人
長野市 117社3239人
大町市 35社914人
安曇野市 28社3535人
また、市長は答弁の中で「許可業者の数が急激に増加するという特殊な状況のため」としています。これは「住宅地に車庫を造ることにしたのは業者が増加するため」ということですか。住環境はどうなっても良いということですか。
★ 課長との話合
20.2.28日午後1時から課長と係長と話合いました。課長は「集める対象人口は変わらないので会社の数が余り多くなりますと競争になります」と申しました。規制緩和になり誰でも廃棄物の仕事をしたい人は申請することができるようになりました。競争させるのが規制緩和の目的ですので課長のいわれるように競争になって当たり前です。競争は市民にとっては収集価格が下がるなど市民サービスが良くなり嬉しいかもしれませんが業者にとっては嬉しくないかもしれません。ちなみに松本市の業者数はきわめて少なく35社で4500人に1社、長野市は3100人に1社となります。
2.「規制緩和時と松本市条例施行規則
簡単に調査の経過を振り返ってみます。法律は国で決める決まりです。松本市長は回答書で「法律では…」と何回か述べています。私は法律を一生懸命調べました。環境衛生上支障のない場所の検査基準は法律にはありませんでした。そんな模索をしている時の20年1月、「他市には屋根つき車庫の許可条件がない」との噂を聞き調査に走りました。確かにありませんでした。屋根つき車庫の根っこは松本市条例ならびに同施行規則ではないかと推測し、他市の条例、条例施行規則を比較検討しました。
★ 長野市との大きな違い
次表のように松本市と長野市とは大きな違いがありました。松本市条例規則は議会にかけることなく市長が決めるものです。そして、その原案は環境清掃課で作ります。

松本市
1 屋根つき車庫が実行に移される。2 松本市内に車庫など施設があること。3 申請は毎年2月15日から末日まで。
4 市長が認める場合はこの限りではない。
長野市
1 屋根はいらない。2 なし。3申請はいつでもできる。4 なし。

★ 規制緩和時と松本市条例施行規則の改正
前述の市長の答弁、課長の話に共通しているのは「規制緩和」「会社の数」です。そして、ある業者は「屋根つき車庫は多額の費用がかかりすぎ結果的には業者がふえません」と言っています。この言葉、長野市などの調査から私はフト「規制緩和時に松本市条例施行規則を改正してあるのではないか」と思いました。そして20年2月29日、平成13年度以降の改正点を調べました。大きな改正がなされている事を知りました。平成19年8月から調査を始めて7ケ月がたつていました。
表の文言は平成16年3月4日に18年3月31日に松本市の条例施行規則につけ加えられた文言です。松本市は多くの規制をかけています。長野市と比し異常な規制です。
「屋根つき車庫」は従来から施行規則にありましたが平成16年度から実行に移しました。「屋根つき車庫」は住宅地でなければ建設することはできません。長野市などは車を置く場所のみで許可になりますので原野などで良いのです。又、「松本市内に施設を持つ事」は平成16年度に書き加えられました。松本市内に施設を造るには多額の金がかかります。長野市の場合は他の市町村に施設があっても良いのです。ある事業者が「松本市への新規事業者の参入は不可能」はいいましたが、理由はそこにあるのではないかと推測しました。
★「市長が認める場合はこの限りではない」の言葉
 比較していて「市長が認める場合はこの限りではない」の文言が気にかかりました。この文言は長野市、大町市、安曇野市にはありません。表中の松本市の各文言に、その文言が書かれています。特に気にかかる文言があります。18年3月31日の改正で屋根つき車庫の決まりに、わざわざ「市長が…」が付け加えられています。そして、偶然でしょうか? その直後の18年4月1日、K社は屋根つき車庫がないまま松本市より営業許可されています。
私も住民も「許可条件を満たしていないのに松本市は許可した。違法ではないか」と市を追求しました。ある地元住民は「住民は裁判をすると言っている」と言うと、環境清掃課長は「待っています。絶対負けませんから」と発言したと対策会議で話しました。
前述のようなカラクリですので松本市は負けません。条例施行規則は議会に関係なく操作できるシステムです。市民の声が届かなくとも自由に出来るシステムになっています。
松本市は「住民に松本市条例施行規則でこのようになっている」と説明すべきです。
考えてみれば環境清掃課長の口から「法律で…」との言葉は何回も聞きましたが「松本市条例施行規則」との言葉は聞いた記憶がありません。法律は国でつくる決まりです。「法律で」と言われ、この事は全国共通な決め事と私も住民も考えていました。私は法律の本を一生懸命に読み、環境庁へも行きました。今考えますと松本市独自である事を住民が知れば「直せ」ということになるので環境清掃課長は言わなかったのではないかとさえ思います。松本市条例施行規則は気をつけなければいけないと思いました。
私が松本市のいう「法律」の言葉に疑問をもったのは松本市長の回答書でした。
屋根つき車庫の検査基準に「環境衛生上支障のない場所に設置すること」がありますが、回答書に「その検査項目は法律により臭気、騒音、振動などの検査をすれば良いとされています」とありました。2月半をかけて調べて行った時、そんな法律はありませんでした。

3. 調査を振り返って
この問題に私が関ったのは19年8月25日地元町会からの依頼でした。(注:私は地元選出の他の議員にも、すぐ現地を見て頂きました)。
その時、私達住民は松本市から「法律で合致するので許可するより仕方がない」と言われ手も足もでませんでした。諦めざるを得ませんでした。しかし、私は調べ続けました。「法律で決められているもの。何時まで反対しているのか」と言われる事もしばしばありました。しかし、ようやく19年8月以来の「なぞ」が解けました。
気づきはヒョンな所からでした。20年1月、ある方の「他の市にはそのような許可条件がない」の一言でした。国でつくる法律から私の調査対象が、一転して松本市の独自な決まりに移りました。そして私の中に生まれる疑問をどんどん調べてゆきました。調査の結果を19年9月市議会19年12月市議会20年2月市議会で発言しました。理解くださる方が増えました。

20年2月議会後も更に調査を続けました。住宅地に屋根つき車庫ができた原因が判りました。システムが判りました。規制緩和に伴い、松本市条例施行規則が大きく変わっていたのです。国の作る法律ではなく、市長のつくる松本市条例施行規則だったのです。原因が判れば半分解決したようなものです。対策が立てられます。松本市条例施行規則に立ち向かえばよいのです。
後は市長の考え方次第です。条例施行規則を変えるか、維持するかは市長の姿勢です。住民は住宅地への屋根つき車庫を拒否しています。市長が住民の立場を考えるか、行政を守るか、事業者を守るかにかかかっています。しかし、前述したように私の質問に松本市長は「これからも屋根つき車庫を設置していく」としています。再記しますと長野市などは車庫証明のみで良い上に長野市内に施設がなくても許可になります。

夢中で調査を続けてきましたが、心の底から「密集地に生ゴミ収集車の車庫を造るべきではない。よりよい住環境を住民に与えたい」との思いがなければ出来ません。住民の中に私と同じように調査をしている人もいますが、住民運動は長期になりますと活動する人も限られてきます。そのため私は「孤軍奮闘」と嫌味も一杯言われました。しかし、原因をようやく突き止めました。私は私に「良く頑張ったね」と言ってあげました。
しかし、この7ヶ月間、自分の時間のほとんどは清掃行政のために費やされました。こんな作業をできる市民が何人いるでしょうか。松本市が市民の立場にたち、市民に正直に語り行動してきたら、こんな作業はいらなかったはずです。
また、行政はスピードも必要です。住民は長期間、時間を取る事が出来ないからです。働きながら活動をしなければならないからです。給料をもらい住民に対応する市の職員とは違います。問題提起をされたら行政は検討会を持つなど早急に対策を立てるべきです。いつまでもずるずるしていますと時間ばかり取られてしまいます。その時間があれば、もっと前向きなことにエネルギーを使うことが出来るでしょう。
私は行政不信になりました。そして、松本市は恐ろしい街だとも思いました。20.3.6


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