政務調査の旅の本を出版した。8年間に政務調査費で調査研究したレポートである。私は議会発言あたり、問題と思われる点や提言したいと思う事に対し勉強し調査しては発言していた。 政務調査費は平成13年度から予算がされている。平成12年から中央集権政治から地方分権政治になったからである。それまでは県や国が市のチェック機関の役割を果たしていた。しかし、地方分権制度になり国、県、市の立場が対等になった。 その為、市長をチェックする人がいなくなった。法律は市議会議員にその任をさせる事にした。そのためには議員に勉強をさせ、調査させなければならない。政務調査費はその為に予算化されている。松本市の場合年間25年万円あった。この著書は8年間で200万円の政務調査費を使用した結果の著書である。 ところで私は勉強し、調査しては質問していったが、この姿勢を貫く事は大変であった。菅谷市政や松本市議会に痛めつけられる事もあった。一つの事例を記す。 原発避難者支援の法的根拠をめぐっての問題であった。 市長は「市長権限で原発避難者を支援」と言っていた。しかし私は財政学を勉強していたので「市長権限での支援はおかしい」と疑問を呈した。かといって、どのようにして支援しているか判らない。 市議会は調査もせず市長に追認し「議会での私の発言を削除せよ」と脅迫した。 しかし、2年後、裁判の結果、原発避難者への資金は国の法律のもと、国から多額の金が松本市に来ている事が判明した。又、その金の存在を担当課にも話していなかったし、金を渡してもいなかった。担当課は市民の為に配布された予算の中から工面して賄っていた。 原発避難者の市長として全国的に有名であった菅谷市長は「原発避難者の為の市長ではなくなった。松本市議会は議会改革度全国1位であったが、見る影もなくなった。 多額の金の使途を市長は明らかにせず去った。 松本市議会が、この時、勉強し、調査し、軌道修正させていたら、菅谷氏は原発避難者支援の市長として今も名をはせたであろうに…。残念である。 調査は思いもかけない姿を現す。地方分権社会となった現在、市議会議員の大きな役割は行政のチェックである。市政のチェックをする人は誰もいない。国も県も口が出せない。市民はそのことを認識し、研鑽調査の出来る議員を選出してほしいと思う。
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