山崎たつえの視点 日々雑感



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このページは、山崎たつえが日々思うことを綴る、日記のページです。
2006/09/29
「浅野前知事」(58歳12年知事在職)
                                    18.9.16
「知事室よりみた市民オンブズマン」
講師「浅野前知事」58歳12年知事在職
文責 390-0851松本市島内6595 山崎たつえ氏名 山崎たつえ
          電話 0263-47-2698 & 090-9666-9113

★オンブズマンは素敵な敵
「市民オンブズマンは敵。しかし、非を早めに教えてくれる敵。敵は敵でも必要な敵である。つまり素敵な敵」。今日の会場も地下二階、地下二階。オンブズマンは「地下でうごめいている」ということか。
県知事選に出れば「人は当選できるのに止めてしまうとは『もったいない』」と言った。もっとも止めてよかったと拍手した宮城県警もある。しかし、止めて良かったと思っている。知事以外のことでも自分の可能性を探ってみたいと思った。新たな出会いで別の観点から世の中を見たいと思った。見え方が違ってくる。又、知事以外のことでも一花咲かせたいとも思った。
★ 宮城県の食料費問題
岐阜県知事のことは寺松さんが火をつけた。寺松さんとは4月ころ知り合った。私は「今頃なんだ」と思う。11年前に宮城県は自白してしまった。平成7年6月ころこの問題が起きた。敵の市民オンブズマンは「財政課の4人の職員に1900万円を返せ」と訴えた。オンブズマンは言った----「職員を訴えるのは本意ではない。宮城県が食料費の問題について、ちゃんとしないので、こうするより仕方がない」と。方法は一つしかない。「宮城県がちゃんとすること」。知事としては4人の職員は救ってやりたい---個人的不祥事ではないので。これは組織グルミの問題。組織グルミである宮城県、同県議会がちゃんとしないと不当な扱いを4人の職員は受けてしまう。
組織ぐるみで長年やってきた裏金つくりは「悪しき慣習」。慣習というと悪いことのように聞こえない。立派に聞こえる。悪しき慣習は今日や昨日の話ではない。全体としてやっていかないと4人も救われない。本質も出てこない。
その時、「良い方法があるよ。うまく処理すれば2期も3期も知事をやっていられるよ」と悪魔のささやきをする人がいた。「うまい処理方法」とは「もみ消す事」である。3秒位そうない。しかし、その後は違った。その時の事を日記に書いてある。
この問題についてトップがどうするかである。トップのもっている資質、経歴とか、それだけの問題ではない。選挙が大きく関わっている。平成5年の出直し選挙で私は知事になった。知事になりたくてなったのではない。厚生官僚として、やりがいを持ち、自己実現をしていた。官僚を続けていくつもりであった。しかし、知事に問題があり、出直し知事選であったにも関わらず、副知事が出馬し当選確実とみなされていた。そんな事情で急遽出馬する事となった。
11月1日に退職し、5日に立候補の届出をし、知事となった。知事には3日でなれる。
★ 住民はなぜ浅野さんを選択したのか。
食料費の問題が出たとき考えた。「知名度ゼロの自分がなぜ知事で居られるのか。又、住民はなぜ浅野さんを選択したのか。県民が選択したのは、ただ一点である。地に落ちた宮城県人のホコリを取りもどして欲しい。―--それを受けて知事になったのではないか。食料費の問題をうまく処理したら知事になった県民の期待に答えていない事になる」。
選挙はメッセイジである。私はメッセイジを託されて知事になった。これが考えた一点である。
二番目に情報公開条例の問題がある。1990年に宮城県に情報公開条例が出来た。この条例に基づき仙台オンブズマンは公開請求をした。システムがあったからである。当時宮城県も官官接待をしていた。国の役人がくると県が費用持ちで接待していた。私も食料費ではなく知事交際費と思っていた。それにしては「随分流動食が多い」とは思ったが――。
市民オンブズマンは食料費を知らなかったらしい。職員の誰かがオンブズマンに教えたらしい。「食料費をやってみると面白いよ」と。それで食料費の情報公開を求めたとの事。
財政課の訴えられた職員4人は何件かの内64件は同じ日に同じ筆跡で書かれていた。宮城県の事件はここから始まった。初め誰でも「逃げよう、隠そう、ごまかそう」と思う。
しかし、情報公開条例がある以上他の課からも出てくる。となれば逃げようがない。トップの資質の問題ではない。条例の趣旨をちゃんと理解しないといけない。システムの問題である。
霞ヶ関に目を向ける。日経新聞に次のようなことが書かれていた。2000年に情報公開条例が出来ると公文書の廃棄量が25倍に増えた。保存期間5年の物を1年にしてしまったからである。
又、情報公開条例が出来てから職員は会議中メモを取らなくなった。「公文書として出せ」と言われるからである。しかし、情報公開は組織にとっては転ばぬ先の杖である。
情報公開ランキングで宮城県は10年間のうち7回トップである。情報公開により「組織の末端までガラスばりになる。だから、救われる」。
★ 匂いはもれる
オンブズマンに指摘され食料費、空出張費を全部返した。その時の痛みが宮城県にはある。
とかく、「問題が外に出ると会社がつぶされる」との愛社精神が出る。しかし、隠しても匂いはもれる。「ニオウゼー」と言った人が市民オンブズマン。
知事は「どうしようかね」と側近に言った。これは上司の心の弱さで「よしなにやれよ」という合図。しかし、その後、心の働きある。その事が日記に残っている。副知事と出納長、総務部長を呼んだ。腹が決まっていた。「全庁調査して出してしまおう。そうすれば金を返す事になるだろう」とペーパーを読み上げ言い、ペーパーを渡した。相談でなく命令であった。「聞かないと首だ」と言ったとか言わなかったとか…。
しかし、この方法は2以下にとっては救いである。もしかしたら職員が「話がちがうよ」と言ったとする。その時、2以下は「俺だってやりたくないよ。本当は」と言えるかもしれないし、いったかもしれない。2以下にとって職員は仲間である。仲間を捜査するようなもの。下は上の一挙手一投足を見ている。「捜査しておいてよ」というのと「捜査しろ」というのとでは違う。
市民オンブズマンとは何か。多分、納税者の立場の住民運動と思う。民主主義のゆえんは、金の使い方だと思う。住民が王様の恣意を確かめる。金の使い方について王様は住民の理解が得られないといけない。県民の金をわけのわからないところに使ってはいけない。そこで警察の問題となる。
★ 警察の問題⇒犯罪捜査費
食料費問題の渦中に居る時「警察の捜査があったら困る」と思った。公文書偽造となる。何で警察が入ってこないのかビクビクしていた。しかし、今は判る。
県警が組織グルミで裏金つくりをしていた。県行政の取調べを出来るはずがない。
しかし、取り締まる立場の人は絶対やってはいけない。警察がするのは、県がするのとは次元がちがう。だから、罪深い。
1999年情報公開条例できる。警察であろうとも公文書は原則開示する事になる。
県警は「県警本部長が支障あり」とすれば「情報公開を非開示とする」事を望んでいた。しかし「聖域を設ければ絶対腐敗する」。
その後、「犯罪捜査費用の裏金づくり」の事が出てきた。今度は私がオンブズマンとなった。
犯罪捜査費には「捜査の支障」という青の御紋がある事はわかる。しかし、知事に対してまで言われるべきことなのか。それは可笑しい。それこそ大問題である。知事は予算執行者であり、税金の執行者である。又、予算の管理者である。担保する最後の砦は知事である。
適正に執行されていないと知事が知ったら黙ってはいられない。犯罪捜査費にはストーリーがないといけない。リストになっている。「これはウソですよ」と知事は資料をもらった。そこで知事は「書類持ってきて欲しい。又、捜査員の話を聞かせて欲しい」と言った。すると「駄目です」と県警は言った。しかし、それでは予算の執行が出来ない。知事は予算の管理者である。
その時、警察長長官は「知事がそんな事を言うとは言語道断。現在は適性に執行されているのに可笑しい」という。「現在は…と但し書きを言う」と言う事は「過去は…」と問わず語りにいっているようなものである。
★ 談合は犯罪である
談合には被害者が見えない。納税者が被害者である。談合は悪だというとき、談合は必要悪だと言う人がいる。しかし、談合は犯罪である。行政から「地域の活性化」という美名が出てくる。入札を地域に限定すると競争力がダウンし、談合しやすくなる。これか温床になる。
談合には選挙が関係する。私の場合、企業団体から応援を得ていない。一人一人が主役の選挙をやりたい。建設業界からも応援を得ていない。建設業界の恩に着なくて良い。こんな楽な事はない。しかし、建設業界にとっては、こんなに、やりにくい事はない。
談合は単純な問題。宮城県の場合、入札の問題など職員も理解していた。本来あるべき姿に返してやっただけである。それに私が指導力発揮した事はない。職員のやった事である。
★ 選挙と警察
チェック機関とは何か。議会、マスコミ、住民などある。
警察はチェックされないと「たか」をくくっている。
これにも選挙が関係する。選挙はたたけばホコリが出る。公職選挙法にはグレーゾーンのところがあるから。民主党の人がつかまり、かつて失職した。民主党の○○氏は警察と友人ではなかったからではないか。つまり、つかまる人は警察と友人でない人、つかまらない人は友人の人。一般住民は友人なら許す事を知っている。それを住民が思っているだけで警察は充分である。
警察は「警察に喧嘩を売ってくる人はいないだろう。俺を敵に回す人があるはずがない」と思っている。住民はもとよりマスコミも敵に回すはずがない。特にマスコミは警察に『俺のネタ売らないよ』」と言われていいはずがない。しかし、これが恐ろしい。
では、警察が、「たか」をくくっていることをどうするか。市民オンブズマンがしなければいけない。重箱の隅をつつく事をしなければいけない。人の嫌がることをする人は隅をつつく存在として嫌がられている。しかし、重箱の隅に真実が宿る。
★重箱の隅に真実がある。
かつて、重箱の隅をつつく事をした。「遅刻を問題」にした事がある。霞ヶ関は課長以上が10時出勤である。それに対して「遅刻してはいけない」と言う人がいない。遅刻常習犯。勤務時間を守れない人が人の金をきちんと使えるはずがない。
市民オンブズマンは重箱の隅をつつく事に誇りを持って欲しい。そこに矛盾が貯まっている。
政権の問題がある。国政も交代しないとよどみを生む。一回大掃除をしないと駄目である。しかし100日以内にすることである(以上18.9.19日記)。


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