山崎たつえの視点 山口村越県合併



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2004/11/1
なぜ山口村が長野県に残ってほしいか(信毎、市民タイムス)
☆ 私が関わるようになった理由

 ある会合で「山口村の越県に反対して欲しい趣旨」の署名が回ってきました。山口村の村民も40%は長野県にいることを望んでいるとのことです。誰からきたのか不明でしたが嬉しくて自分でコピーし署名を集めていました。そのうちに中信に連絡所を設ける話になりました。そして、代表を私がすることになってしまいました。苦悩し或る人に相談しました。すると「ひたすら自分の信ずるところをしなさい」と助言を受けました。
 私はなぜ、署名活動に夢中になったのでしょうか。私の心身の中に島崎藤村が生きていたのではないかと思います。山口村は島崎藤村の誕生の地です。私たち長野県人は島崎藤村を抜きにして長野県を考えるわけにはいきません。

☆ 議決権は県議会にある。

 ところで山口村の合併は県議会に議決権があります。なぜでしょうか。市町村の意見のみでよければ長野県議会の議決を得る必要はありません。しかし、県単位の行政単位になっている現在、市町村の行動は長野県民の利益に影響があるからではないかと思います。

☆ 県民の思いも考えてほしい。

 さて山口村の越県合併を長野県議会のみで決めて良いのでしょうか。たしかに議決権が県議会にあるので、県議会のみで決めても良いのです。しかし、私はここでお願いしたいのです。長野県議会選挙の時、この問題があったわけではありません。だから県民の意見も考慮してほしいのです。
 私は昨年スウェーデンへ二回、視察研修をし、帰国し文献調査をし「スウェーデンへの旅」という本を出版しました。同国の政治家は新たな大切な問題が生じた時は必ず住民投票を実施し、その上で政策を決定しています。外国の真似をする必要はありませんが良い点は取り入れてほしいと思います。出来たら県民アンケートを取って欲しいのです。

☆ 県民一人一人が考える時

 私は、今、県民一人一人が、この問題について考える時ではないかと思います。
 考えるには丁度良い時と思います。人によっては、もう遅いと言う人もいます。しかし、機運が盛り上がった時が丁度良い時と思います。幸いな事に、9月長野県議会において、賛否両論ケンケンガクガクと反対賛成の議論がされました。新聞、テレビでも取り上げられるようになりました。そのため、県民は関心を持つようになってきました。この問題を県民一人一人が考える良い機会だと思います。

☆ 賛否両論の議会の関係は良いと思う。

 ここでちょっと現在の長野県議会のあり方にふれてみたいと思います。とかくケンケンガクガクと論議する姿に、なれていない県民はその姿を非難する人もいますが、私は賛成反対に分かれて議論することはとても良いことと思います。それは大切なことと思います。事実、その姿から県民一人一人が、山口村の問題について「どうすべきか」考えるようになっています。
 議会制民主主義の誕生はイギリスです。同制度は君主の独走を許さないために貴族集団から成立したものであり、市民運動の中から誕生したものではありません。「仲良し子よし関係」を期待したのではなく、対立関係で互いの独走を許さないための制度です。長野県は長いこと議会と知事の関係は仲良し子よし関係でした。その為県民の中には今の現象をびっくりする人もいますが、私は良いことだと思っています。ただ、互いに感情に走らず真に県民に視点をおき、議論してほしいとは思います。

☆ 山口村は長野県の大きな文化遺産であり、当地は長野県の大観光地

 山口村は長野県人にとって心のふるさとです。また、山口村は長野県にとって大観光地でもあります。また、山口村の40%は長野県にいたいという人たちです。そして、「山口村の越県が良い」となれば今後、他県との交流が強い地区が越県合併をしたいとした場合、どんどん了解していくのでしょうか。「合併したとて山口村がどこかに行くわけではない」と言う人がいます。確かにそうです。しかし、現在の行政、特に財政は県単位でなされています。県財政上も見逃すことはできないと思います。どんなに立派なことをいっても霞を食べて生きているわけではありません。長野県財政上もマイナスではないかと思います。

☆ 本当に山口村が合併をしても良いのでしょうか。

 ところで越県合併を本当に認めて良いのでしょうか。「住民の意向だから、しょうがない」とはよく聞く言葉です。「しょうがない」と諦めてしまって良いのでしょうか。まだ、長野県議会の議決が残っています。決まったわけではありません。重複しますが、諦めず、県民各自が自分の問題として山口村の合併を考えてほしいと思います。

☆ 長野県の周辺部にいても長野県に住んでいて良かったという地域づくり

 このような問題が起こるのには、いろいろの理由があると思います。周辺部への行政の不行き届もあげられると思います。少し横道にそれますが、周辺部の問題は長野県のみでなく、市町村についても同じことが言えます。松本市も周辺地域の過疎化が問題視されています。中心地には何百億円もの投資がなされますが、周辺地は貧しいものです。長野県の周辺地域のあり方を考える機会でもあると思います。
 また、行政区と生活上の地域のあり方を考えるチャンスかもしれません。この運動に参加した友人が山口村に調査に行きました。「自動車免許の更新をするのに塩尻市まで行かなければ行けない」と村の方がいっていたそうです。そのようなことは長野県と岐阜県で話し合い中津川市でも出来るようにすることはできないものでしょうか。ささやかな生活上の問題を解決していったとき、行政区が異なっていても問題なく山口村に住めるのではないでしょうか。松本市の近郊をみましても、南安曇郡、筑北の人たちは学校も仕事も松本です。しかし、南安曇郡の人たちは松本と合併しません。交流があるから、生活圏が同一だからなどが越県合併の理由にはならなくなるのではないでしょうか。ともかく、今よりもっと他の地域と生活上、交流上都合が良くとも、長野県に住みたいといって頂ける地域づくりに取り組む必要があるのかもしれません。

☆ おわりに当たり

 県民のみなさん、本当に山口村が越県合併しても良いのでしょうか。本当に良いのでしょうか。長野県議会で決定するまで諦めることなく、県民一人一人が考えてみようではありませんか。
 そして、長野県知事並びに長野県議会議員各位にお願いします。山口村の民意、賛成60%、反対40%の上に県民の民意も考慮し検討していただきたいのです。そのために県民の調査をして頂きたいと思います。
 私たちは私たちの出来ることをしょうと思います。山口村の人たちに長野県に留まって頂く為に、私たちの思いを署名活動によりあらわしたいと思います。多くの皆様のご賛同をお願い致します。なお、私たちはコピー代もありません。どうか、寄付をお願い致します。郵便局口座記号番号00540-3-80917 山崎たつえです。通信欄に「カンパ」と記して下さい。以上が今までの経過並びに山口村越県合併署名活動の趣旨です。


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