山崎たつえの市議会議員日記 第4号 (19.10.30) 松本市島内6595 電話 0263-47-2698 行政に科学を!1 ホームページ http://www.tatsue.jp/「日々雑感」
19年9月の市議会で山崎たつえはリサイクル率の向上、林業の活性化、生ゴミ収集車の車庫設置に関する反対の質問や提案をしました。
低い 松本市のリサイクル率 !
松本市から提出された議会資料を見て「オヤ!」と思いました。容器包装プラスチックの搬入量の数値が平成16年度に比し17年度18年度と極端に下がっていました。「リサイクル率の向上を」と松本市も力を入れているはずなのに「なぜ」と疑問を抱き調査しました。多くの事が判りました。 ★ プラスチックは昭和54度から平成10年度まで埋立ていましたが、平成11年度、現在の焼却場ができてからは焼却していました。そして、平成17年度から分別収集を始めました。(注:グラフ中の「全体」とは西部広域全体の事です)。 ★ ところでなぜ容器包装プラスチックを資源化するのでしょうか。その理由に触れておきたいと思います(インターネットその他文献より)。一つは資源の再利用です。もう一つはプラスチックを燃やしますと多量のダイオキシンが出るためです。ダイオキシンは猛毒と言われ「癌、子どもの身体障害、精子に異常をきたし奇形児の出産の危険性が多いなど、さまざまな障害を生ずる」とされています。ダイオキシンが問題化した発端は1960年代のベトナム戦争での枯葉剤の使用ですが1984(s59)年には焼却場からもダイオキシンが出ることが証明され松本市も焼却炉を建て替えました。 ★ 県内19市の中で東御市、駒ヶ根市、飯田市などは年々容器包装プラの資源化率が高くなっていました。松本市の同リサイクル率の低下の原因を探るため、私は東御市、佐久市、飯田市、塩尻市を視察しました。各市の処理費(表2)は、焼却するのが一番安上がりです。しかし、ダイオキシンの問題などから各市はリサイクルに奔走していました。 (表2)H19.7-8月調査 山崎たつえ調査ゴミ焼却費1kg容プラ処分費1kg 松本市 19円50銭 34円 塩尻市 28円40銭 56円(処分費40円) ★ リサイクル率の高い市と松本市との違いはなんでしょうか。 東御市、佐久市、塩尻市――「プラスチックは焼却場でもやす事ができない」という絶対条件がありました。それは炉の温度(800度)が低いためプラスチックを焼くと「ダイオキシンが出る事、そして炉が傷む事」が原因でした。その為、それら各市は行政も市民もプラスチックの分別に一生懸命になっていました。 飯田市――飯田市は違っていました。松本市の炉と同じようにプラスチックを焼いても炉が傷む心配もなければダイオキシンが出る心配もありません。しかし「プラスチックはダイオキシンが出やすい」という理由から焼却処分をしないことに組合で決定していました。飯田市民の環境意識の高さに驚きました。 松本市への提言 松本市は飯田市のように「プラスチックを燃やさない」との組合の規制もない上に「炉が良いのでプラスチックを焼いてもダイオキシンが出ない」との事で、行政も市民も「焼却という楽な方向へ向いている」ように思います。では、どうしたらよいのでしょうか。各市を視察して意識改革の重要性を痛感したので、それを主体に市議会で提言しました。 @一つ目の提案――東御市の助言 東御市のリサイクル係長は「リサイクルにとって大切な事は市民に如何に理解して頂くかがポイントです。市民の意識改革が大切です。東御市ではゴミ減量アドバイザー制を設けています」と助言下さいました。意識改革のためのこれと類似の政策は塩尻市でも飯田市でも北九州市でも行われていました。 A 二つ目の提案――松本市自身の政策から出ている問題? 表3 17年度のリサイクル率の順序 (県生活環境部資料) 市名人口:千人一人当たり一日gリサイクル率順序 塩尻671383 49.7 1 東郷31701 33 2 飯田108834 32 3 佐久100755 28.9 5 長野3801091 23.6 11 松本223 (1354) 20.3 14 (15.3) 18
松本市数値は事業所が加味されていなかったとの理由から松本市清掃課で19年8月修正しました。松本市の()は県資料値。 調査の段階で、私は松本市独自の問題が内在しているのではないかと思いました。今も「松本市は分別しても焼却場で燃やしてしまう」との噂を聞きます。 平成16年度、松本市は分別になれて頂くために訓練期間を設けましたが、訓練でしたので、その期間は分別したものを燃やしていました。しかし、その事が、市民に誤解され今も、噂となっているのではないかと思われました。松本市は、その対策も必要ではないかと思います。 ★ 調査の段階で(表3)の如く松本市は容器包装プラのみでなく全体のリサイクル率も低い事に気が付きました。松本市は19市中14位で20.3%です(注:県発表値15.3%第18位)。一位は塩尻市、二位は東御市、三位は飯田市となっていました。そこでプラスチック以外のリサイクルへの取組みについて提案しました。
B三つ目の提案―― 塩尻市は袋代の他に焼却袋に限り償却費を取っていました。大袋は袋代+70円、小袋は袋代+30円です。その方法によりゴミが16年度に比し18年度は74%となりました。担当者は次のような感銘深い話をして下さいました。 「実施までに5年の月日をかけました。『分別すれば経費はかからない』と言う事をしっかり市民が体験し、理解し、資源化率をアップしてからでなければ実行に移しても効果はあがりません。また、市民が焼却場や埋立てを引受けて下さる地域に感謝の気持を持たなければ成功しません」。 松本市は私の住む島内地区にゴミ焼却場も埋立地も屎尿処理場も屠殺場もペットボトル処理場もゴミ収集車車庫も設置されています。地区民は「『島内地区は汚いところ』と他の地区の人に言われる」と市民環境部長に訴えました。市民の皆さんは島内地区民にどの位、感謝の心をもっているでしょうか(写真は奈川地区にて羊毛の糸巻き機)。
C 四つ目の提案――市長の政策 飯田市の市長は環境を政策の柱とし環境に対する物凄い取り組みをしていました。紙面の都合で詳細は割愛させて頂きます。飯田市の意識改革政策の一例を示させて頂きます。一つは組成調査です。これはゴミの中に資源化できるものが入っていないかを地区の役員が地区ごとに調査するものです。もう一つは生態チェックです。有志を集め川や山の生態を調べて歩きます。汚れている川に住む生物ときれいな川に住む生物に参加者が気づき「川をきれいにしよう」との意識が自然に芽生えるとのことです。案内下さった飯田市議会事務局の職員の方は「地域の公民館などで宴会をした後、市民は完全に分別します」と言われました。私は、地域の公民館などでの分別の推進を議会で提案しました。 循環型の美しい森林づくりを!! 国は美しい森林作りのための国民運動を展開し間伐に多額の予算を計上しています。地球環境温暖化に対する対策が主なネライです。そして、その実施について国は「植える、育てる、切る、使う」の循環型林業、又、補助金に依存しない林業整備のあり方を目指しています。私は美しい森林づくりの運動の一環として森林のモデル地区の設置を提案しました(写真は大正池)。
山崎たつえ履歴……1940(S15)誕生・筑北中学・蟻ケ崎高校・ 長野県短期大学卒・1960〜1970 長野県職員・1994〜2000高校教師・1996〜1999放送大学へ編入卒業・2001〜2003新潟大学大学院修士課程(社会学専攻)修了。山崎たつえ著販売中―申し込みは47−2698(fax兼)松本地方のDV『レポートおびえる妻たち』価格1,680円(定年退職後入学した新潟大学大学院での修士論文)・『スウェーデンへの旅』価格590円
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