山崎たつえの視点 女性・福祉



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2006/11/05
女の生き方、男の生き方研究会報告
第一報から第三報
 とにかくスタートしなければ始まらない。そんな思いで、とにかくスタートしました。

第一回研究会は18.8.16(水)午前10-12でした。

浜石先生が助言者として出席くださいました。

1.) 初めに「大学院へ行くには」との質問がありましたので、そのための話合いをしました。学生サークルの役割に「学生相互の交流を図り、もって学習向上、自主的研究に資する」があげられていますので、学生の相談に時間を割くのは大切なことです。私は放送大学卒業後、如何にして新潟大學大学院の試験の準備をしたかをお話させて頂きました。

大学院を目指すには何と言っても「自分がこれから何をしたいか」を決めること。そして、それに合わせて大学の授業を取って行く事――が大切と思います。私は女性論をしたいと思いました。女性論は「生活と福祉の問題」と思い「生活と福祉」を履修しました。しかし、女性論は「社会学」の分野でした。そのため自分で一から社会学を学習しなければなりませんでした。大変な作業でした。
2) 次に放送大学の教科書「ジェンターの社会学」の第1章を読みました。
ジェンダーとはについて話合いました。さまざまな問題が出されました。

@男女という性別アイデンティティにとって自己認知が決定的に重要である。世の中には男(女)であっても男(女)と自己認知しない人もいる。このことも社会的、文化的影響を受けているといえる。故に性差ばかりでなくセックスも社会的、文化的影響を受ける。
A「男女の区別は差別ではない」…この言葉は昔から良く言われました。
「世の中には男に向いた仕事がある。女に向いた仕事がある。男には男に向いた生き方がある。女には女に向いた生き方がある。女は女らしく、男は男らしい。
そのような区別は差別ではない」と言うことです。
  しかし、これらの性差は文化的社会的に創られたものとの考え方が理論的に証明される事となりました。現在では「男女のこれら区別は差別である。区別が差別を産んでいる」とされています。
なお、上野千津子氏は「区別は差別である」といっている」との事。
B しかし、話の中で「男性は筋肉がたくましいとか、女性は力がないとか、絶対的に違いもある」との意見も出されました。しかし、よく考えてみれば、これも社会的に形成されると言えないでしょうか。男性は社会的に力仕事をするように育てられているからです。
3)浜石先生から最近多い女性の心の病についてお話をお聞きしました。
@最近女性のうつ病が多い。
A抜毛症、過呼吸鉦もストレスからくる心身症。心身症とは心の悩みが身体に出た病気のことである。過呼吸症はなかなか治らない。
B日本の場合、離婚しても環境が整っていないので、子供が犠牲者になる場合が多い。
C浜石先生の公開講座は9月9日(土) 13時30分〜15時30分まで長野学習センターで行われます。「ストレスから抜け出す」ためのヒントもお話くださるとの事です。

第二回研究会報告

 第二回の研究会を18年9月27日午前10時-12時長野学習センターで行った。始めて原さんがお見えになる。原さんは30代男性。休みを取られてこられたとの事。私は「どうしてこの研究会に来られたのですか」とお聞きした。原さんは「玉ねぎの皮を一枚一枚むいていった時、最後の芯となる部分は女と男の生き方の問題ではないか。そして、その事が現代社会にどう反映しているのかと思った。最近の児童相談で一番多い相談に『女らしさ、男らしさとは、どういう事か』との質問があるとの事、又、男性が化粧をしたり…以前はありえなかったことが起きている。我々はジェンダーについて、どう教育されてきたのか考えた事がなかった。男の生き方、女の生き方から社会を見、考えてみたいと思った」という趣旨の事を話された。

@『女らしさ、男らしさとは、どういう事か』との質問が多いとの言葉から、予定を変え「ジェンダーの社会学」(放大教科書)の「女らしさ」の項を読んでいった。
次のような討論がなされた。
★浜石先生は「専門学校へ教えにいっているが『老人心理の中で女らしさ男らしさについて』話しても、それを理解できない学生がいる。時代が動いている」と言われた。昔は皆が古い考え方であった。私は「教育の力その他で男女差が無くなってきているのではないか」と推測した。しかし、その事は私にとって驚きであった。
★昔は夫もえばっていたし、妻たちも従うものと思っていた。それが女らしさとも思っていた。同著に「女らしさは規範により作られたものである」と記されているが、長い間に女性も、規範が刷り込まれ、そのような意識になっている。そして「女はこうあるべき」に縛られてしまう。「女は夫より一歩下がって歩く、女はお茶を入れるべき…など」。又、男の人も女性がいるのに「男がお茶を入れてはいけないのかな」と思ってしまう。男女とも、そのような意識を抜くのが大変である。

★ 時代が変わり女性も働くようになった。「女性が生涯働き続け、かつ、仕事の効果をあげてもらうには女性の内部の意識の改革が必要である。それに取組んでいる会社かある」と原田さん(女性)は言われた。放送大学の「21世紀の女性と仕事」の講義で学習したのだそうである。
---「資生堂は働く女性の活性化に対する功績が認められ厚生大臣賞を頂いた。女性の力を発揮させるには女性自身の中に潜む『女だからという意識』を払拭する必要がある。払拭のために教育をしている。自然に任せているのではなく男性も女性も教育をしていかないと駄目である」----。刷り込まれた意識を払拭する事が、いかに大変かがわかる。私も帰りにそのテープを見せて頂いた。
浜石先生に心理学の上から意識の払拭についてお聞きした。先生は「『何とかしないと困る』とか『相談に行こう』という気持になる事が解決の出発点である」と助言くださる。
★女性の中にも古い意識の人がおり、そのような人は「家庭も仕事も」と1人で頑張っている」。そんなに1人で頑張らなくても良いのに。しかし、私もかつては、そのような1人であった。女性が男性と同等に評価を受けるには、そうするより仕方がなかった。

A皇室典範について(資料を原田さんと山崎が持参する)
最近のマスコミは「男性継承」「皇室典範改正反対」が主導であり「第一子継承」だ
の「皇室典範改正賛成」などと言えない雰囲気である。
しかし、原田さんの持参した朝日新聞の記事には「皇室典範を改正せよ・女性天皇も良
し」と記されていた。それもあの有名な日野原重明先生(94歳)の弁である。日野原先
生は聖路加病院長でもあると言う。
その記事に私はびっくりした。そして勇気が湧いた。「私も元気を出して皇室典範を
正せよ・女性天皇も良しと発言していこう」と言う気持になった。スウェーデンもかつ
て男性継承であったが、男女平等の波の中で1980年に第1子が皇位を継承することと
なった。現在、第1子が女王となっている。
この問題について男性と女性では受け止め方が大きく違うようだ。先日高齢な男性数人の前で「皇位継承は男女平等にすべき」と発言すると厭な雰囲気になった。「男性は男系で良い」とする人が多いのではないか。しかし、女性は10中9人まで「第1子で良い」とする人が多い。

B原さんが障害者自立支援法についての資料を持ってきてくださる。
それを読む時間がなかったので自宅で読んだ。「障害者も自立した生き方をしなさい」との法律のようであるが社会環境が整っていない上での政策は無理が生ずるのではないかと思った。このことについては又、時間を取り話合いたいと思う。

C浅野前宮城県知事(現在は慶応大学教授)の講演を聴く(資料山崎持参)
浅野前知事の講演をお聞きした。いつかお聞きしたいと思っていたのでテープを持参した。テープおこしをし、山崎が持参した。浅野全知事は仙台市民オンブズマンに宮城県職員の食料費を指摘された。その時知事は『自分はどうして知事になったか』に思いを馳せ「組織の全部の泥を出す事を決意」をした。そして、「全ての食料費を明らかにし、それを弁償した」とのこと。今の日本の政治家、行政は汚く、信じられない人が多いので、その話に感動した。また、警察の捜査費による裏金作りの話もしてくださった。「警察は『警察を訴える人がいるはずがない』と思っている。しかし、これは恐ろしいこと。宮城県警察の捜査費使用に対する疑いが出た。浅野知事は『捜査員と話をさせて欲しい』というが『それは出来ない』と宮城県警察は断った。知事は『私は県民の税金を使用する最高責任者です。その私にも話せないとは大問題である』」と力説した。そして、「情報公開に聖域を設けてはいけない」とも言われた。治安の基は警察官の資質であると思う。住民がきちんと行政も警察も監視しなければいけないと思う。これは山崎たつえのホームページに掲載したので、関心のある方はご覧ください。ホームページhttp://www.tatsue.jp/日々雑感の項にあります。

参加しての感想:
★ある方の弁--「稼いでもいないのに好きな事ばかりしている」と夫は言う。私はそれに反抗してやろうと思い勉強をしに来ている。男女平等も一番小さな単位である家庭から良くしていかなければと思う」。
「稼いでもいないのに好きな事ばかりしている」との言葉、この言葉は多くの女性が言われ続けてきた言葉である。その言葉にどんなに悔しい思いをしたことか。その言葉から、その悔しい思いがベースになり女性解放運動が起こった。
山崎の感想---会って話合う事は素晴らしい。異なった生き方や考え方に出会うチャンスだから。今日も多くの事に出会った。有意義な時を過ごす事ができた。ありがとうございました。みなさん!! 参加しませんか。
写真は18年9月2日に放送大学公開講座「女と男の視点からみる現代日本社会」での山崎です。発行 18年9月28日 


第三回18年11月4日松本市県の森会館(204号室)にて行った。

「21世紀の女性と仕事」(2006大沢真智子放大教育振興会)
第T章を読む

第1章では「経済が成熟しサービス経済中心の経済機構となった国に見られる共通点は@ 女性の高学歴化 A 女性賃金の上昇 B 既婚女性の労働参加の増大。C 出生率の低下(但し2000年代になると逆転する)である。この変化が女性のライフ・サイクルを変え、夫婦の関係や家族のあり方に大きな変化をもたらすのである。まず、経済が高度に発展した社会で、なぜ女性の社会進出が相次ぐのか、それが出生率にどのような影響を与えるのか、更に社会システムがどのような変革を迫られているのかについて」述べている。

★アメリカの静かな革命の特徴
アメリカの統計をみた時、以前は夫の収入の少ない妻が家計補助のために働いていたが、60年代になると夫の収入の高い妻の方が、夫の収入の低い妻より働くようになった。そして、70年代頃になると夫の収入と女性の就労とに差がなくなっている。又、女性の教育年数と雇用就業率の関係をみると教育年数の高い女性ほど就労している。
「60年代において、なぜ、収入の高い層の妻が、より就業率が高いのか」が参加者の話題になった。「男女とも高学歴であり新しい生き方を選択していたのではないか。その他の層は従来の「男は仕事、女は家庭」の生き方を選択していたのではないか。つまり教育を受けていた階層は先を読む力があったのではないか」との意見が交わされた。
また、統計から労働力率の推移をみると「1950年代は20-24才をピークに女性の労働力率は低下しているが1995年では男女の労働力率の形に違いが見られない。そして6歳未満時のいる子どもの母親の就業率は1960年代に18.6%に比し、96年度は62.7%である。結婚や出産はキャリア形成上の障害になっていない」。この文面からは判らないが、それは女性が働く環境整備がなされてきた為ではないかと思われる。

★静かな革命はなぜ起きたのか
革命を進めた経済要因を同著では次のように述べている。
―――――――――――――――――――――
女性側の要因に二つの要因がある。一つ目は女性労働を必要とする経済社会が訪れ、高学歴化の需要が高まる。出生率が低下してくると有能な人材を採用し育成するために企業は性差よりも個人差を重んじる人事政策を取らざるを得なくなる。二つ目は女性側の変化である。親の所得が高くなると女の子にもお金がかけられるようになる。教育投資をすることによって就業機会を手に入れる事ができるようになる。又、それを活かせる仕事が社会に広まっている。
女性の大学進学率をみると70年代に女性の大学進学率が高まっている。大学進学を後押ししたのは1972年の公民権法第9編の改正である。この改正は教育機会における性差別をなくす為に入学基準の見直しをしたのである。又、労働市場も専門職化してき、高学歴の女性を必要としてきた。
男性側の要因を見てみたい。男性の賃金が頭打ちになっている。反面女性市場賃金率は上がっている。男性の賃金低下も女性の社会進出を促進する要因になっている。
                      ―――――――――――――――――
 参加者の中に「有能な人材を採用し育成するために企業は性差よりも個人差を重んじる人事政策」に注目する人がいた。かつて「男性だから」との理由だけで企業は男性を採用した。性差が関係なくなったと言う事は「女性も力があれば男性労働と同等の評価を受ける事ができる」ということである。なぜだろうか。「女性労働の方が安いからであろうか」とAさん。「いや、安いだけでは今は駄目。だとすると女性労働の方が質がよいからではないだろうか」とBさん。「いや両方だ。安くて質が良い」。「そうだ、そうだ」。
男性は男性ということだけでは生き延びるわけにはいかない時代になったといえる。男性にとっては聞き捨てならない言葉である。

★静かな革命その後
同著では「1970年代の女性の労働と出産についてみると先進国において負の関係である。
しかし、2000年代になると先進国において正の関係に転じている。前者が経済の構造変化によって先進国にもたらされた変化としたら、後者の変化は制度や政策によってもたらされた変化である。各国で用いられた政策は主に以下の4分類できる。男女雇用均等政策 A 社会保障・税制改革 B 家庭と仕事の両立支援策 C 働き方に多様な選択議を認めるワーク・ライフバランス施策である」と述べている。
つまり、女性は子どもを生みやすく、育てやすい社会環境が整えば生むといえる。

寄 稿 文  長野学習センター 事務室長 原 俊彦
原室長さんより寄稿頂きました。

 本来、自動車のナンバープレートは自動車の使用の本拠の位置を管轄する運輸支局又は自動車検査登録事務所の名称等を表示しておりしたが、平成16年に地域振興や観光振興等の観点から、自動車検査登録事務所の新設の有無に関わらず新たな地域名表示を認め、都道府県を通じて希望地域を募集しました。その結果、全国から20地域の要望があり、審査の結果「仙台」「会津」「つくば」「那須」「柏」「成田」「川越」「金沢」「伊豆」「岡崎」「堺」「倉敷」「豊田」「一宮」「下関」「諏訪」「高崎」「鈴鹿」の18地域の導入を平成18年度から実施することを決定しました。
 長野県では「諏訪」ナンバーが10月10日から導入されることとなり、その記念セレモニーの一環としてナンバー交換希望者の募集がありました。その結果、交換台数60台に対し143台の交換希望があり抽選の結果なんと私の車も入っておりました。普段はクジ運が悪く宝くじも何度か購入したものの、当選金の資金提供者に徹していたのに珍しいことがあるものだと驚きました。私は趣味の関係で遠出をすることも多く、今までも「松本ナンバーということは長野県から来たのですか。」と聞かれました。そして「長野県というと田中さんですよね。」とも言われました。はたしてこれからは「諏訪」がどこまで通用するかが楽しみです。
 さて、話は変わりますが、今年度から放送大学学生クラブとして「女の生き方、男の生き方研究会」が発足され、おめでとうございます。まだ会員さんは少ないと思いますが、これからのご活躍に期待をしております。
 ニュースを見ていると毎日のように「虐待」「いじめ」「自殺」「親が子に殺された」などと暗いニュースばかりです。日本の世の中はどこでどう変わってしまったのでしょうか。今女性は職業的に男との隔たりなくトラックやバスの運転手、土建会社の技術者などさま
ざまな分野で活躍をしておりますが、家庭ではご主人とどのような生活をしているのでしょうか。恥ずかしながら私は料理・洗濯一切女房まかせです。もちろん女房も勤めております。ただ、こんな私でもできること、たとえば掃除は毎日行なっております。(唯一これだけ。)これが女房の手助けになっているとは思いませんが、こんな形で三十年連れ添ってきました。
 先日ワイド番組で解説者が言っていました。「以前は女房が子を叱れば亭主がフォローする。亭主が子を叱れば女房がフォローする。こんなコンビネーションが良くあったが、今はそのようなことがないのではないか。また、離婚が多くなったことによる子どもへの影響もかなりあるのではないか。」
 今の時代、女性も仕事に就くことはあたりまえとなっている。職場では男も女も同等であるように家庭内においても同じである。いやむしろ「女将」にしておいた方がうまく行く場合もあると思う。(こんなことを書くと皆さんに怒られるかな。)家庭内が円満であれば子どもも素直に育ち、子どもに異変があれば親として気がついてやれることもできるのではないか。「とかく自己主張のみが強く、悪いことはすべて相手側の責任」というような風潮が高まってきている昨今。今一度家庭内からも女の立場、男の立場を見直してはいかがでしょうか。
 まとまりのないことを思うがままに書いてしまいました。お許しください。
 


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