山崎たつえの視点 女性・福祉



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2005/01/27
女性天皇制について
 いよいよ「女性天皇制」について協議されることとなった。女性が天皇になる事ができなくなったのはいつからであろうか。
まずヨーロッパの歴史をひもといてみた。465年、今から1500年程前にさかのぼる。サリカ法典の頃からと辻村氏は記している。「サリカ法典では(被相続人に子どもがない場合など)女性の遺産相続権を認めていたが、『土地については…いかなる相続財産も婦女に帰属すべからず』(久保正幡訳『サリカ法典』1977復刻)と定めていた。実際に4世紀にはルイ10世、フィリップ5世、シャルル4世がいずれも娘だけを残して没した際、娘の王位継承権が否定され、男系主義が確立されていた。その後、このサリカ法典がヨーロッパ諸国での王位継承権からの女性の排除の根拠として用いられるようになった(オリビエ・マルタン『フランス法制史概説』1986:467-470)」(辻村みち子2002『女性の人権の歴史』20)。
 では日本はいつからであろうか。「125代の歴代の天皇のなかには10代8人の女性がいる。女帝否定の考え方は旧『皇室典範』が1889年(明治22年)に制定されるにあたって勅語で述べられた『万世一系』の思想からうまれ、1947(昭和22年)に公布された現『皇室典範』に受け継がれたものである。これによれば、たとえ天皇の女子は女性という理由だけで天皇にはなれない。さらに結婚して男子を生んだとしても女性の男子なので、その子どもも天皇にはなれない」(杉山浩一2000『王室・皇室』角川書店:144)。
 このように女帝否定論は東西南北を問わず、女性差別の歴史のなせるわざである。今や男女平等の時代。男女平等に王位継承権は与えてほしいものである。世界一の男女平等の国、「スウェーデンでも1979年、ようやく男女を問わず国王の最年長の子どもが王位につく事が出来ることとなった。(辻村前掲)
日本は男女を問わず「最年長の子ども」となるであろうか、それとも男子優先、男子なき場合は女子となるであろうか。世論の状況を見るとの事。私は前者で決めてほしいと思う。


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